全国で65歳以上の人口は全体の約3割を占める。単身高齢者の増加や家族関係の希薄化が進んでいる。そんな現状の中で、認知症や知的障害などの判断力が不十分人を支える成年後見人制度が始まったが、ここにきて大きな転換点を迎えている。
この度政府は、いったん始めたら原則として亡くなるまで後見人が付く『終身制』の仕組みを改め、求められる支援を適切な範囲で行う制度へと大幅に改定することに決めたようだ。改正の趣旨を本人と暮らしと意思を中心に据える見直しと言っている。支援を必要とする人が安心して生活を続けられる環境づくりは、社会全体の責任でもある。課題であったのは、支援名目で本人の選択を狭めてきたこれまでの制度の在り方であった。
2000年4月からスタートした成年後見人制度は、財産や権利を保護する役割を担ってきた一方で、終身利用が原則で包括的な代理権によって本人の自己決定が大きく制約されるとの大きな問題点もあった。
例えば、不動産売却などの限定的な支援を求めても、その後の生活全般にも関与し続けることになり、弁護士や司法書士等の専門家が後見人になると月々数万円の報酬負担が生じるため、制度利用を躊躇される方も多くいた。
私の周りにも一人暮らしの高齢者が土地建物を所有しており、これからどうしたらいいのかとよく相談を受けたものである。時代に合わせて法改正していく当たり前のことではあるが、こういったことが先送りされてきたのがこれまでの政治だ。
臨機応変に対応していく政治に期待をしたいと思っている。まずはこの成年後見人制度の見直しは評価したい。




