司馬遷の『史記』の中に呂不偉列伝という箇所がある。秦の始皇帝の幼少時から栄華を極めるまでの話であるが、『奇貨居くべし』という言葉がある。
これは掘り出し物だ。後日必ず値上がりするから買っておこうという意味である。5年ほど前に金を買いませんか?1グラム=2,800円です。といことで金の投資関係のセールスマンが来られたのを記憶している。そういったうまい話にはのらないようにしているが、その時買っていれば今は1グラム=28,000円超まで値が上がっている。
2キロ買っていれば5千6百万円ほどになる。買っておけば・・・・・・・・となるが当時5百万円のお金もない。買っておけばは話である。この言葉は、転じて「これはチャンスだ」、「うまく利用しよう」という意味にも使われる。
呂不韋は字を陽擢(ようてき)という地方の豪商だった。ある時商売で趙の都(邯鄲かんたん)に出向いたとき、秦のプリンスで子楚(しそ)という人物が人質となって貧しい生活をして趙にいた。その姿に同情し、この人物は間違いなく大成する”奇貨居くべし”と言ってスポンサーとなる。あとは歴史が示す通りで、呂不韋は始皇帝の義父といて権勢を極めたことは言うまでもないことである。
ビジネスでも金融でも”目利きが大事なことは言うまでもないが、この目利きがなかなかできないのが凡人である。




