災い転じて福となすと同じように”人間万事塞翁が馬”という淮南子の故事がある。人生は、なにごとも塞翁じいさんの馬のようなもで、禍と幸いは交互にやってくる。なにが幸いするかわかりゃしない、という例えである。
人間は人の世という意味で、人間(にんげん)とかいてジンカンと読むのが正しい読みで、ニンゲンと慣用的にも読んでいる。
北方の要塞近くに住む老人の飼い馬が逃げてしまって、不幸なことだと思っていると馬は別の駿馬を連れて帰ってきた。これは幸運だと喜んでいると、息子がその馬に乗って仕事をしていると落馬をし、骨折してしまった。これまた不孝と思いきやお蔭で戦に取り立てられずに済み、村の若者はみな戦死いてしまったが
息子だけは死なずに助かった。禍福は変転するという故事である。
新年早々悲しいニュースが続き、ふとあいさつ回りをしながらその言葉が脳裏に浮かんだ。