士に一定の論あり、女に不易の行あり。立派な男性には、定まった見解があり、りっぱな女性には変わらぬ操があるものだと教えている。”一定の論”とは、定まった主義主張とか不動の定見を言うそうだ。”不易の行”とは変わらない定説な行いである。私たちの仕事の世界でも、数年来アイデンティティということが重要視されてきた。日本語では『主体性』と訳されているようだが、単純に言えば、自己の独自性を認識することである。孟子が言っている一定の論は、アイデンティティの古代版と言える。
士有一定之論 女有不易之行 (「淮南子」原道訓)より
中国の諸子百家を読むと難しいけれど何となく魂に届くような感じがする。忙しい時こそ頭にズンとくるものが多い。