しばらくぶりでゴジラ-1.0の映画を観た。内容は敗戦後の東京にゴジラが来襲する。そのゴジラに対して特攻隊任務を逃れ、死ぬことができなかった死に抵抗を感じた主人公が、ゴジラと対峙することでその葛藤やトラウマを乗り越えようとするストーリーを軸に戦争孤児や核兵器、戦争後の復興などが複雑に絡んで描かれている。ハッピーエンドで終わるのには怪獣映画にしては珍しい物語性を感じた。
『生きろ』という強烈なメッセージが何度も強調されていたが、あれだけの人が死に命が軽んじられた時代のすぐ後に『生きろ』という言葉がそんなに意味を持っていたのだろうか?明日をもしれない、食べることにも事欠く時代に『生きろ』なんて言えたのだろうか。その意味で『生きろ』と繰り返されるたび、ガザ地区やウクライナでの戦争が脳裏に浮かぶ。怪獣映画の視点からすると相手が人なので物足りなさを感じたが、私たちへの強烈なメッセージ性を感じた。